2018年08月29日

感情をコントロールする

感情をコントロールすることは、心理学で「情動調整」「情動制御」と言われており、多くの研究がなされています。
今回は感情をコントロールする方法を皆様にご紹介します。

大きく分けると3つです。

状況を変えること(状況焦点型方略)、状況についての考え方を変えること(認知焦点型方略)、感情の表出を弱めること(反応焦点型方略)です。

1つずつ見ていきます。

◯状況焦点型方略

状況を回避、修正あるいは追求していくことです。

自分が楽しかったりリラックスできたりする状況は追求していきましょう。
散歩や泡風呂でリラックスするなど、自分で楽しい状況を作り出せる人はストレスに直面しても耐性があることが報告されています(Folkman&Moskowitz,2000)。

また、友人が繰り返し悲惨な話を持ち出した際は、その場を立ち去ったり、会話を変えたりして、嫌な状況を「回避する」という手段があります。嫌な状況になることが予め予測できる場合は、約束をしなかったりその場を離れるなどの回避的な行動も手段の一つです。

ただ、不快な状況を常に避けることは、現実的な選択肢ではありません。

また回避ベースの対処法をしている人は、抑うつ症状の増加が予測されることが示されています(Holahan,Moos,Holahan,Btenman, and Schutte, 2005)。

一方で、状況を修正しようとするアクティブコーピングを行う人は、心身の健康がより良い傾向にあることが分かっています(Penley, Tomaka, & Wiebe. 2002)。

研究では、がんを患った患者で、症状の経過をコントロールできると信じていた患者は、より健康的な食事をしたり、より多くの睡眠をとったり、頻繁に運動したりするようになりました。そうすることで、がんを有していた事実や将来的にがんのリスクが高まるという事実は変わらなくとも、後の健康問題を予防する見込みが大きくなります。また、この研究で大事な点は「何かに対して自分がコントロールできる」という信念が、状況修正方略の使用を促している点でしょう。

◯認知症点型方略

状況について異なる考え方をしたり、他の側面は無視して、ある側面に注意を払い状況の意味を解釈したりして、感情をコントロールする方法です。(だだし状況自体が変わることはありません)。

ある研究では、参加者に他者から拒絶された経験を鮮明に思い出すように求めました。半数の参加者にはその時の自分の感情や生理的感覚に注意を集中するよう促し、半数の参加者には、拒絶されたときの部屋の特徴に注意を集中するよう促しました。

部屋の特徴に焦点を当てるよう言われた参加者は、感情に集中するよう言われた参加者より、怒りの感情をあまり表出しませんでした。

ただこの方略の難しさは、自分の考えをあまりにも長い間コントロールしている場合、エネルギーを使い果たしてしまうことがあることです(Engle, Conway, Tuholski, & Shisler, 2006)。

また物事が起きた時に、もっともらしい、状況に関するポジティブな、あるいは中立的な解釈をすることも認知症点型方略の1つです。

例えば、ハリケーン、事故、そうした不幸の犠牲者は、「もっとひどかった恐れもある」という考えで自分を慰める方法があります。

あるいは、面接などでの様子を「神経質」とラベリングする代わりに、「興奮」「感激屋」などとして考えてみるなどがあります。

心身に良いと言われているのは、「ポジティブな再評価をする」方法です。

ネガティブな出来事の中にある潜在的なポジティブな効果について考える人は回復力(レジリエンス)が高くなります(Tugade & Fredrickson, 2004)。

ただし、全ての状況によってポジティブな再評価が適切とは言えません。状況を修正しようする努力が阻害されてしまう恐れもあるからです。

◯反応焦点型方略

ストレス経験を減らすことよりも、感情の表出を弱めることを目標とする方法です。

例えば、飲酒や薬物、食事は、一時的な効果であってもストレスのはけ口として使われます。

カタルシスも反応焦点型方略の1つです。

カタルシスは、ありのままに自分の情動・気分を経験し、そのまま表出する方略です。

しかし、これまでの多くの研究では、感情を表出することによる情動経験の改善は示せていません。

例えば、お互いに怒りをぶつけ合うカップルは、離婚に向かいます(Fitcham, 2003)。感情的な問題について議論することは大事ですが、長すぎると有害になるのです。

感情を日記などで書き出すことも1つです。

感情を言語化することは、ストレスイベントとそれに対する自分の反応について理解することを手助けし、ポジティブな結果に繋がると考えられています。

ある研究では、大学生に情動的な場面で感じたことなどについて一日1時間半×3-5日間書き出してもらったところ、because, reason, realize, know, understandというような言葉を書いている学生ほど、健康的で学業成績も良く、適応的でした。

そのほか、身体的運動も効果的です。適度な運動は、抑うつや不安を防ぐことが多くの研究で示されています。

以上3つの方略を状況に合わせて、上手く組み合わせ、使い分けをすることが、感情をコントロールする手助けになるのではないでしょうか。

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posted by アリシス at 18:38| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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